インスト

2009年12月11日 (金)

柴田敬一 《ライツ・アンド・シャドウズ》

Shibatala20
 
柴田敬一(ピアノ)  《ライツ・アンド・シャドウズ》 ( 1985 )
Kei Shibata(p)  "LIGHTS AND SHADOWS"
  ( SOUND DESIGN RECORDS INC. SHIZEN-P33S20013 CD-JAPAN )


 柴田敬一のピアノ・ソロ・アルバム。
 私の宝物的ディスク。アナログももっている。
 全篇にただようほのかななつかしさは、過ぎ去りし日のまぶしい場面の数々を思い起こさせずにおかない。

 すべて珠玉と言っていいが、あえて一曲選ぶとなれば、ラストの"VEIL OF DARKNESS"だ。
 聴いていると、なつかしさを抑えきれず、なぜか幼稚園から小学校へ入学したあたりの記憶がよみがえってくる。
 ジャケット写真が、北海道ゆかりの前田真三だけに愛着もひとしお。

 1985年の発売だから、もう25年のつきあいになる。
 今でもキャンプへ行くときなど、かならずもってゆく。そして"VEIL OF DARKNESS"は旅のエンディング・テーマとなっている。
 旅の最後の夜が明け、最後の朝を迎える。
 準備完了。コーヒー飲みながら、これを流す。
 さびしい。だが、そこがいい。


  DANCING LEAVES / ダンシング・リーヴス
  YEARNING FOR CHILDHOOD / 幼心への憧憬
  SPIRIT OF TREES / 木霊
  HAVEN / 安息の地
  LIGHTS AND SHADOWS / ライツ・アンド・シャドウズ
  OFFERINGS FROM THE EASTERN KINGS / 東方の王たちの捧げ物
  LITTLE STREAM / せせらぎ
  BREEZING IN THE FOREST / こずえを渡る風
  VEIL OF DARKNESS / 夜のとばり


※ここまで書き、アップしたあと、柴田敬一の近況を知るべくググッてみたところ、なんと彼は去る8月に永眠していた。
 この《ライツ・アンド・シャドウズ》は、繰り返すが、私の宝物のようなディスクで、発売と同時に、当時梅田のグランドビルにあったレコード店《DAIGA》で偶然出くわして購入、それ以来愛聴しつづけている。
 ご冥福を祈ると同時に、哀悼の意、そしてなにより感謝の意を捧げたいと思う。

 
  

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2008年11月11日 (火)

ジョージ・ウィンストン 『オータム』 - 追悼 筑紫哲也

Gw02158
George Winston: AUTUMN (Windham Hill Records WD-1012)

 筑紫哲也が死んだ。
 73歳だった。若いが若くない、とでもすべき年齢であるだろうか。まったく、平均寿命なんて、なんの目安にもならない。
 私は、いくら話術にたけていようが取材経験のとぼしいアナウンサーなどが報道番組のキャスターになるべきではない、と考えている。ここ数年、テレビ自体をほとんど観なくなっているが、筑紫氏の『NEWS23』はたまに観ていた。
 筑紫氏逝去関連のニュースを見るために、朝のチャンネルをハシゴしていたら、いみじくも、みのもんたと小倉智昭が同じことを口にした。
 芝居やコンサートの場で遇うことがあった――というものである。

 20年以上前、大阪の《ザ・シンフォニーホール》2階ロビー(グランド・ホワイエ)の、灰皿の設置してあるシートで、例の〝サファリ・ルック〟の氏と隣同士になったことがある。
 ジョージ・ウィンストンというピアニストのコンサートだった。
 人気沸騰、プラチナチケット――とはほど遠い、と言っていい。最上の席でも5000円までだったはず。しかも、大阪だ。スケジュールに合わせてチケットを入手されたのだろう。ファッションではなく、ほんとうに好きで来ている、と感じた。私には、こういう人たちは、有名ブランドオーケストラかオペラあたりにしか関心がないものと決めてかかっているところがあった。
 別に連れをともなうでなく、独りでくつろいでおられた。私も私で、タバコをふかしてパンフレットなどをながめていた。

 以上、ただそれだけのことであるが、ふと、あのときのことを思い出し、10年以上聴いていなかったこのアルバムをひさしぶりに聴いてみることにした。
 この『オータム』、当初はLPでもっていたが、友人にゆずってしまって手元にはない。CDが出、そっちに乗り換えたからである。
 今聴くと、いかにも軽く、「ちょっと一杯」というほどまでには動かされないが、20歳前後のころは、これでじゅうぶん酒が呑めた。
 人気はCMにも使われた3曲目の"LONGING/LOVE"だろうが、私は5曲目の"MOON"が好きだった。日本の琴の音色をイメージして作曲した、とジョージ・ウィンストン本人が語っていた。

 私がこれ(LP)を買ったのは高校3年生のときで、梅田にあった《大月楽器》においてであった。コチコチのクラシック・フロアで、えらくめずらしいのをかけている。「なんですか、これは」とたずねた。「最近出たんですよ。たまにはこういうのもね」と、答えはそれだけだった。
 まあ、つまり、私も気に入って、その日はこの『オータム』を入れた袋をさげて帰ったというわけです。

 ジョージ・ウィンストンのCDは現在、手元にはほかに『サマー』がある。これはだいぶあとになって出たもので、すでに彼のディスクを聴かなくなっていたが、なつかしくなって手を出したものだった。
『ディセンバー』と『ウィンター・イントゥ・スプリング』をそれぞれLPでもっていたが、これらも知人に進呈した。いずれCDで買いなおそうと考えてのことであったが、ついに買わずじまいである。私は『ディセンバー』をもっとも好んで聴いていた。せめて、それだけでも、ひさしぶりに買って聴いてみようか……。
 コンサートには、80年代に3回か4回、足を運んだ。
 裸足で(※靴下は履いている)ピアノを弾いていた。ヒゲモジャの若ハゲ男だった。ワークシャツとジーンズという、木こりをイメージさせるようないでたちだった。
 今でも来日して、人気を博しているようである。私はもう、行くことはなさそうであるが……。
 

 SONY α350
 TOKINA AT-X AF100mm F2.8 MACRO

 
 

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