――ジャガイモをどこで仕入れるか?
わざわざこんなことを書くのであるから、「スーパーで買う」なんてのが答えであるはずはない。
北海道には広大なジャガイモ畑がある――と書けば、声をひそめて、「ヘヘッ、やるんですかい?」と訊き返すやつもいるかもしれないが、もちろん、そんな悪事に手を染めはしない。たかがジャガイモである。
私の答えは「拾う」。
運搬車が落っことしたやつをいただく。
美瑛(びえい)や美幌(びほろ)の道路脇にはたいてい、トラックからこぼれ落ちたジャガイモが転がっているものだ。
そこからなるべく新鮮なやつをもらう。
見分け方は簡単で、落ちたときについたキズをみればいい。あたらしいのは、生傷がついていて、肉が固く締まっている。古いのはキズが乾いており、全体もブヨブヨしているからすぐわかる。傷んだ部分は、あとでナイフでそぎ落とせばいい。
写真のものは、すべてそうやって拾ったものである。カレーにしたり、あるいはジャーマンポテト、肉じゃがにしたりする。塩ゆでにしてそのままかじってもうまいし、焚火にほうりこんで焼き芋にするテもある。ポテフラも魅力的であるが、私は油を少量しかもたないのでキャンプでやったことはない。
以前、美幌で「イモ拾い」をしていたら、どれもこれも〝メークイン〟だった。〝男爵〟もほしいな、と思っていて、ふと対向車線側に目をやると、なんと、そちらに落ちているのは男爵ばかりである。
どうやら、それぞれの運搬トラックの行き先がたがいに逆方向だったらしい。
最近はジャガイモの品種が増えた。〝キタアカリ〟や〝インカのめざめ〟などが人気のようである。
「キズモノはパス」「落ちてるやつを拾うなんて」……という高潔ウルサ方にはススメないが、食えりゃいい、という方は、このはしたない仕入れ法を試してみてはいかがです?
私は食えればいいし、なにより、路傍でそのまま腐らせてしまうのがもったいない気がして見すごせない。それも、鮮度抜群なのだ。
ただ、これをやる際は、くれぐれも事故に気をつけるべし。
「落ちとるな……」と気づけば、脇見運転をしながらの物色はやめ、あっさり、バイク or クルマを停めましょう。そのあたりを5分もウロウロすれば、晩のカレーぶんくらいはじゅうぶん拾えるはずです。
私はこうやって、もう何年も、北海道ではジャガイモをタダで手に入れている。そして、降られた日など、ヒマなので、これを材料にしてカレーやシチューを仕込んだりする。
以下、「ころがるイモのゆくえ」――。
↑アクが浮いてきた。これで2食、ないし3食分。いつもはすじ肉であるが、この日は、リーチのかかった焼き肉用バラ肉をスーパーにて半額ゲット。それを使った。
↑頃合いをみて米を炊きはじめる。蒸気のにおいに注意する。自信のない人は終始弱火で。
↑炊けました。まずまずである。
↑完成。私は「野菜ゴロゴロカレー」が好きだ。拾得イモが、ひときわうまそうではないか。ゆうべの残りのブナシメジなども投入。器は再利用品。ジンギスカンが入っていたトレーだ。カレーはひと晩寝かせたいところだが、ぜいたくは言わぬ。大阪から持参した粉末ハバネロをごく少量入れてある。この辛さがまたグーである。
雨に降りこめられた日には、くさらずカレーライスをつくってみよう。
カレーを煮こむあいだは、ただマッタリしていればよろしい。読書もよし、昼寝をするもよし、音楽を聴くもよし。旅の残り予算の心配な人は、ここらで電卓をたたいてみるのもよろしかろう。
雨の日のキャンプを愉しめないようでは、イッチョマエとはいえません。
なお、私のように「野菜ゴロゴロ」に仕上げておくと、その具がビールのアテになります。
CANON Power Shot A530 (1、2、5枚目)
SONY α350 & TOKINA AT-X AF100mm F2.8 MACRO(3)、SIGMA 18-50mm F2.8 EX DC(4)
place: 北海道美瑛町国設白金野営場
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