追悼 - 森繁久弥

『夫婦善哉』(1955) 森繁久弥 淡島千景
殺人容疑で指名手配されていた犯人が大阪で捕まったらしいと聞き、テレビを観ていたら、モリシゲが死んだという報が流れてきた。
テレビをビデオに切り替えた。
なんとなく、映画『夫婦善哉』を観たくなった。
VHSを段ボール箱のなかから発掘してきた。
これは昔、大阪の食べ歩きのようなものをやって、織田作之助ゆかりのナンバの《自由軒》や、オダサク自身の墓がある寺(※楞厳寺(りょうごんじ))を訪ねたりしたことがあり、そのときに参考資料として編集者からもらったものである。今は、DVDになっているようだ。
個人的に忘れられないのは、『屋根の上のバイオリン弾き』の舞台だ。
友人から、「チケットもろたんやけど行くか?」と誘われて観に行った。20歳のころだったから、もう30年ちかく前のことである。
場所はどこだったろう……大阪フェスティバルホールのような気もするが、もっとせまかったように思う。厚生年金ではないだろう……ああ、たぶん、梅田コマだったのではないか……。
ハッキリと思い出せない。トシだ……。
他の出演者の顔ぶれで憶えているのは、ホーデル役が安奈淳さんで、パーチック役が『飛び出せ!青春』に出演していた谷岡行二であったことくらいだが、とにかく、あのときの感動が、ほんのりとあたたかいかたまりとなって、今も心の底に転がっている。
私は、自然な演技を自然にやれる役者が好みで、森繁などはまったくそのタイプの役者だった。社長シリーズは以前、CSで繰り返しやっていたのでよく観た。
大阪ものでは上の『夫婦善哉』のほか、『桂春団治』なども印象に残っている。
また、『サラリーマン忠臣蔵』を好きで、年末は本道の時代劇より、こちらを観ることが多い。
〝モリシゲ〟は苗字ではなく、愛称だった。
また一つ、空席が生まれた。そんな寂しさがある。
SONY α350
SONY α50mm F1.4(SAL50F14)
【訂正】
調べてみると、谷岡はピーチックではなく、フョードカ役であったそうだ。この記憶には自信があったのだが……。
テヴィエ 「ところで、パーチック」
ピーチック(間髪を入れず) 「ピーチックです!」
そんなやりとりをする場面があり、それがモリシゲと谷岡とのものとして脳みそに刻みこまれてしまっていた。
記憶なんてアテにならんですな……。



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