交響曲

2009年10月 5日 (月)

autumn harvest 2009 - great performances

Autumnh62 

 仲秋の候――。
 
 先週末、予約していたディスクが届いた。
 新譜をこれだけまとめて買うのは初めて。じっとしておれぬようなディスクが、ほとんど同時に登場、優先順位をつけることができなかった。
 まさに、収穫の秋というほかはない。すべて◎。

  ①ミケランジェリ&バレンボイムのシューマン(ピアノ協奏曲)
  ②イダ・ヘンデル&ラトルのシベリウス(ヴァイオリン協奏曲)
  ③ポリーニのバッハ(平均律クラヴィーア曲集第1巻)
  ④イブラギモヴァのバッハ(無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲)

 ミケランジェリの弾く、シューマンのピアノ協奏曲。好きな演奏家と曲の組み合わせであるためにじっとしておれなかった。
 ミケランジェリが生前、リリースをしぶったせいで、お蔵入りになっていたという。つまり〝死人に口なし盤〟である。ライヴ録音。
 演奏家本人と聴き手の見解はしばしば一致しない。私にとっては、これなどもその一例となる。
 ミケランジェリの演奏は色彩感に富み、きわめて明快。むずかしい字、むずかしい表現を使わず、しかも説得力がある……そんな名文のおもむきがある。
 バレンボイム&パリ管は、まるでベートーヴェンかブラームスかのようなスケールの大きさで、これは好みのわかれるところかもしれない。
 もしかすると、この大仰さがミケランジェリの気に障ったのか……。
 両者のコンビネーションにやや難ありの感もないではないが、できあがったものが圧倒的であり、結果として大きな感動を呼び起こした。
 録音も申しぶんない。
 カップリングのドビュッシーも名演。

 イダ・ヘンデルが昔、ベルグルンドと組んで残した旧盤を愛聴しているだけに、じっとしておれなかった。
 1993年のライヴ。
 名演だった旧録音に劣らぬデキだ。ラトル&バーミンガム市響もいい。
 カップリングはエルガー。ヘンデルはこの曲も過去にボールトと録音していた。こちらは旧録のほうがやや上か。

 ポリーニは超人気のピアニストであるが、私的にはさほど興味をもっていない。つもりが、ベートーヴェンを中心に、ディスクはけっこうもっている。実は好きなのかもしれない。
 ともかく、彼が平均律を入れたと聞くと、じっとしておれなかった。
 リヒテルの名盤を彷彿させる音楽性満点のバッハ。実際、よく似ている。そうとう弾きこんでいるように感じる。気合いもかなりのもの。グールドばりのうなり声も聞こえてくる。
 今回は第1巻のみであるが、おそらく第2巻も早晩出てくる、と想いたい。

 アリーナ・イブラギモヴァが、自身のウェブサイトでずっと前から「2009年の09月に出しますよ」と予告していたもの。その約束がどうやら守られると知り、じっとしておれなかった。
 今年はすでに、アッカルド、ムローヴァによる無伴奏の注目盤が出ているが、私的期待度では、このイブラギモヴァはムローヴァよりも大きかったものである。
 そして期待どおりのものができあがってきた。
 アッカルド盤を「デジタル最高の無伴奏」と少々興奮気味に決めつけたが、魅力という点ではこのイブラギモヴァのバッハも劣っていない。バッハの無伴奏をこれほどチャーミングに、しかもていねいに弾いた例は、これまでほとんどなかったのではないか。
 録音もすばらしい。実音と残響が混濁せず、絶妙にブレンドされている。 
 これはまさしく、大きな〝収穫〟だった。


  J.S.Bach: The Well-Tempered Clavier Book 1, BWV846-869
     Maurizio Pollini (p)
     ( DG )

 Schumann: Piano Concerto in a minor, Op. 54
     Arturo Benedetti Michelangeli (p)  Barenboim / Orchestre de Paris
      ( DG )

  Sibelius: Violin Concerto in d minor, Op. 47
     Ida Haendel (vn)  Rattle / City of Birmingham Symphony Orchestra
      ( TESTAMENT )

  J.S.Bach: Sonatas and Partitas for solo violin, BWV.1001-1006
     Alina Ibragimova (vn)
      ( hyperion )

 

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2009年4月 2日 (木)

ブラームスの交響曲第1番

Bra158

 名曲シリーズ――。
 ブラームスの『第1』。

 私の場合、この3盤。
 コンセプトは当然異なるとはいえ、聴かせ方はよく似ている。いずれもライヴ・レコーディングであり、重厚、ティンパニが炸裂しまくりの、まさに聴き手の内臓をふるわせるような演奏ぞろい。

 上から順に紹介する。
 バルタン星人は地球を乗っ取ろうと画策、ウルトラマンにやられてしまう。その後しばらく経ってから、その仲間であるか子孫かがふたたび現れる。が、やっぱりやられてしまった。昭和40年代のことである。私は彼がやられるところをリアルタイムで観ている。

 フルトヴェングラー&北ドイツ放送響は、彼最高の〝ブラ1〟として定評あるもの。ほかにもルツェルン祝祭管との録音などもいい。
 しかし、彼のブラームスは、この『第1』よりも『第2』がさらにすさまじく(たとえば1945年盤)、また戦前のベルリン・フィルと組んだハンガリー舞曲第1番が空前絶後の名演であることも押さえておきたい。

 宇宿&フィルハーモニアTokyo盤は、一部熱狂的ファンをのぞけばなじみのないディスクと思われるが、このブラームスはまったくすばらしい。当然、日本人指揮者による最高の演奏である。明らかにフルトヴェングラーを意識した芸であるが、それが真似事にとどまっていない。
 ところで、またしてもこの日の会場に〝ブラボー・バカ〟がまぎれこんでいる。いわゆるフライング・ブラボーだ。
 ……なんとかならんかネ。
 音楽が空気に融けこんで消えてゆくあと数秒が、なぜ待てない? こういうアホにはもう、猿ぐつわでも噛ませておくしかない……。
 なお、この前日の演奏がDVDで出ている。

 ベーム&バイエルン放送響の重厚もフルトヴェングラーに一脈通ずるものがある。彼の〝ブラ1〟は、数種の音源が出まわっている模様であるが、どうやらこれ、バイエルン放送響とのものがもっとも燃えているらしくある。カップリングはグルダとのモーツァルト『ジュノム』で、こちらも名演。

 三者横一線であるが、録音なども考慮し、強いて序列をつけるなら、

  宇宿>フルトヴェングラー>ベーム

となる。
 宇宿はもっぱら東京限定で活動している。たまには関西に登場してもらいたいものだ。
 ナマで聴いたのは2度。1度は、なんと中学生のときの校内音楽鑑賞会であった。もう1度はこれも古く、20年以上前、箕面市民会館でベートーヴェンの『第9』を聴き、これが最後となっている。
 宇野功芳ですら大阪までやって来て冗談のような指揮をしている(※私はおもしろがっているが)のをみれば、宇宿允人などはその前に呼ばれていなければならないはずだ、と思わざるをえない。

Casalsbaton15  入手難の裏名盤としては、指揮者カザルス&プエルト・リコ祝祭管弦楽団盤。どうせ海賊CDRで出ているか。これまたライヴ。
 まことに芝居がかった個性的なブラ1である。

 後続の第2グループは、ミュンシュ&パリ管弦楽団、メンゲルベルクあたりか。
 最近、テンシュテットのライヴが2種出て(シュトゥットガルト放送響、ロンドン・フィル)、かなり期待していたものの、実際に聴いてみると、彼にしては意外におとなしく、不足感が残った。


■ Johannes Brahms: Symphony No.1 in c minor, Op.68

  宇宿允人 / フィルハーモニアTokyo ( 東京芸術音楽協会 MUCD-017 CD )
  Whilhelm Furtwangler / NDR Symphony Orchestra ( TAHRA FURT-1001 CD )
  Karl Bohm / Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks ( ORFEO C 263 921 B CD )
 Pablo Casals / Festival Orchestra of Puerto Rico ( BATON BATON-1004  LP )
 

 SONY α350
 TOKINA AT-X AF100mm F2.8 MACRO
 


 【シャコンヌ狂時代】 斎藤アンジュ玉藻 Tamamo Ange Saito ( Sa )
 【やぶにらみ映画評】 『大日本人』( 2007 )(た)

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2008年7月28日 (月)

berlioz symphonie fantastique

Dutoitsf58

 ベルリオーズの幻想交響曲――。
 デュトワのクリアでシャープな演奏は好きなものの一つだ。
 LPで聴いた。
 CDももっている。両者に音質的な差はそれほどないだろう。が、こうしてジャケットをならべてみますと……LPのほうがいい音しそうに「見える」。
 (LONDON  LP)

 SONY α350
 MINOLTA AF24-85mm F3.5-4.5

 

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2008年7月26日 (土)

beethoven symphony 4

Kleiberbee4

 暑すぎる……。
 無意識に手が伸びたカルロス・クライバーのベー4。
 暑さと二日酔い。氷水をガブガブ飲みながら聴く。

 クライバーの棒には、仰々しい重さがなく、スピードとメリハリ、パンチ力がある。格好良さではナンバーワンです。
 白熱的演奏も、鑑賞後感は爽快。二日酔いも吹っ飛んだ……となればなおよろしいのであるが。
 (ORFEO CD)

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