7inch

2009年9月30日 (水)

坂本九 『上を向いて歩こう』

Sukiyaki

『上を向いて歩こう』 ( 1961 )
 歌 / 坂本九  詞 / 永六輔  曲・編 / 中村八大
  (東芝音楽工業株式会社 JP-5083  EP)


 幼いころ、母親について、ひと駅離れたスーパーまでよく買い物に行った。
 親が食料品などを買いあさっているあいだは退屈なので、ほかの店をのぞいて時間をつぶした。

 2階の〝専門店のフロア〟には、本屋からスポーツ用品店まで、さまざまな店が集合している。雑貨店、今でいうアクセサリーショップなどもある。
 装飾された小箱が十ばかりならんでいた。
 オルゴールだった。
 なかに一つ、お気に入りがあって、その店へ行くたびに、そればかりいじっていた。曲がよかった。
 結びつけてあるタグに曲名が記してある。ヘンな名前だ。
 『上を向いて歩こう』――。
 そのオルゴールがほしくてならなかったが、ガキにすればやや高額な品で、そう簡単には手が出ない。

 ある日、親戚の人がウチを訪ねてきた。夏の暑い時季で、1泊か2泊して帰った。
 帰り際、小遣いをくれた。千円札を一枚。
 五百円あれば、たいていのものは買える、そんな気分になる時分の千円だ。分不相応な額と言っていい。
 あのオルゴールのことを思い出していた。

 数日後、一人で出かけた。
 すでに夕刻だった。明るいうちには帰ってこれないのはわかっていたけれども、がまんができなかった。
 スーパーに到着する。2階に駆け上がる。アクセサリーショップに直行、オルゴールを手にする。そのままレジに持って行く。
 店員が、動作確認のためだろう、オルゴールのフタを開いた。砂金のような音色がこぼれ落ちた。
 驚いた。
 『上を向いて歩こう』ではない。デザインがまったく同じで、気がつかなかったのである。

 取り替えをたのんだ。売れてしまった、と女性店員は言う。ずーっと置いてあったのに、と文句をつけた。だが、ないものはどうしようもない。
 納得できず、しばらくそこで踏んばった。店員は困ったような顔で私を見おろしていた。
 そのうちまた入ってくるから。やがて、そんななぐさめの声が聞こえた。
 ふてくされて店を離れた。

 外に出るとすっかり暗くなっている。泣きたい気持ちだった。

 ♪上を向いて歩こう
  にじんだ星をかぞえて
  思い出す 夏の日
  一人ぼっちの夜


 だいぶあとになってから、そんな歌詞を知った。あのときの自分そのものだったことに驚いたものである。

 

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2009年7月 1日 (水)

まぼろしの酩酊盤

Aho01sq

 昼間っから呑み、どうやって帰ったのか……。
 翌日、カメラをチェックすると上の画像が飛び出してきた。
 どうやら、クルマのミラーを写したものらしい。
 そういえば、撮ったような気もする。
 どうしょうもない。
 

 SONY α350
 SIGMA 18-50mm F2.8 EX DC
 place: ?

 ※『酔って候』……詞 / 曲 柳ジョージ 歌 / 柳ジョージ&レイニーウッド

 

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2009年6月24日 (水)

雨のうた

Rain0258

 先日、ラジオを聴いていたら、つのだ☆ひろさんの番組で、〝雨の昭和歌謡〟というのをやっていた。すてきな曲をたくさん聴けた。
 で、自分なら……と、思いつくままならべてみました。

 track 01: 『雨にぬれても』 B.J.トーマス
 track 02: 『RAINY DAY』 山下達郎
 track 03: 『テンダーレイン』 尾崎亜美
 track 04: ヴァイオリン・ソナタ第1番『雨の歌』
 track 05: 『氷雨』 佳山明生
 track 06: 『そして僕は途方に暮れる』 大沢誉志幸
 track 07: 『雨だれ』 太田裕美
 track 08: 『みずいろの雨』 八神純子
 track 09: 『雨』 中司雅美
 track 10: 『雨の物語』 イルカ
 track 11: 『さようならの世界』 森山良子
 track 12: 『雨に泣いている』 柳ジョージ&レイニーウッド
  …………

 なんとかLP1枚分。
 案外、浮かんできませんねェ……。嫌いな曲なら、あるんですけどね。
 忘れてるのもありそうですが、とりあえずこの12曲。(※一部、YouTubeより貴重映像拝借)

 01、私的最高雨唄。
 02、『JOY』に収録のLIVE VERSIONを好む。
 03、アルバム『プリズミイ』に収録。なかなか泣かせます。
 04、ブラームス作曲。名盤多数。ボベスコ、ヴィルコミルスカのをよく聴きますね。
 05、淡々とした曲調がいい。歌詞も◎。演歌っぽくないオリジナル、佳山版を愛す。
 06、♪もうすぐ雨のハイウェイ~。ヒットから10年ほど過ぎたころに好きになった。今はiPodに入れてます。
 07、『木綿のハンカチーフ』より好きだった。
 08、『思い出は美しすぎて』が猛烈に好きだが、これもいい。
 09、中司雅美は高校の後輩だそうで。悪くないですヨ。
 10、『なごり雪』とならぶ名歌。
 11、マイナーな唄も、及川恒平&小室等。高校生のころ愛読していた『青春改札口』というマンガに出てきた。
 12、♪Weep in the rain.... カッコよかったなァ……。

 中村あゆみの『翼の折れたエンジェル』もいい唄でした。
 どうやら最近、〝昭和歌謡〟という一つのジャンルが確立されつつあるらしい。
 たしかに、いい唄がたくさんありましたねえ。
 

 SONY α350
 TOKINA AT-X AF100mm F2.8 MACRO

  

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2009年5月 3日 (日)

RCサクセション 『トランジスタ・ラジオ』 - 追悼 忌野清志郎

Rctr0158
 

Rctr58
 

 〈以下は、本館に保管していた雑文の再掲載です。〉

  ♪WOO 授業をサボッて
   陽のあたる場所に いたんだよ
   寝ころんでたのさ 屋上で
   たばこのけむり とても青くて
   内ポケットに いつも
   トランジスタ・ラジオ

   ――詞・曲 / 忌野清志郎 G.1,238, 471  編 / RCサクセション

  ……………………

  中学生か高校生らしき少年が、退屈な授業をすっぽかしてラジオを聴いている。それも国内の放送ではなく、海外放送のようである。最新のロックに夢中なのだ。はやいとこ、こんな学校出て……と大きな夢を思い描いているとも想像される。で、音楽に集中しているかと思えば、ちゃっかり彼女のことを思い浮かべたりもする。

「今から××(※教師の名)やな、天気もええし……やめとこか」
 そんなことをほざき、ツレと学校を抜け出す。喫茶店に行こうにもカネがない。で、缶ジュース買って、校庭の隅とか、近所の公園のベンチで、クソ生意気にもタバコ吸いながらチンタラする。そんな経験はだれにもあるにちがいない。

 青春をテーマにした唄はたくさんあるが、どれにもこれにも、大なり小なりつくりものくささがあるものだ。その点、『トランジスタ・ラジオ』は自然そのもので、違和感がなく、まさに着古した学生服のようなフィット感があった。
 私にとって、不滅の青春ソングである。ラジオといえば夜、と思いがちなところ、この唄は真っ昼間からラジオときた。そこもいい感じ。

 


 『トランジスタ・ラジオ』を、私の〝不滅の青春ソング〟と書いた。
 すぐれたミュージシャンはすくなくない。だが、そんな唄を残してくれるやつなんて、そうしばしば現れるものではない。

 キヨシローが燃えつきた。

 酒だ。酒しかない……。


  RC SUCCESSION: 『トランジスタ・ラジオ』 ( 1980 )
   (Kitty RECORDS 7DK 7002  EP)
 

 SONY α350
 SONY α50mm F1.4(SAL50F14)
 TOKINA AT-X AF100mm F2.8 MACRO

 

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