バッハのマタイ受難曲 - ガーディナー&EBS

バッハ マタイ受難曲BWV244
Johann Sebastian Bach: Matthäus-Passion BWV244
エリオット・ガーディナー / イングリッシュ・バロック・ソロイスツ モンテヴェルディ合唱団ほか( 1988 )
John Eliot Gardiner / The English Baroque Soloists, The Monteverdi Choir
( ARCHIV PRODUKTION-Japan POCA-2501/3 CD-JPN )
年末、バッハの『マタイ受難曲』を全曲通しで聴いた。
またそのすこし前、黒澤明監督作品『赤ひげ』をDVDで鑑賞した。劇中、こんなセリフがある。
「人間の一生のなかで、臨終ほど荘厳なものはない」
『マタイ受難曲』において、私が個人的に、もっともすばらしいと思うのは終曲である。
突如吹きはじめたすさまじい風が、肉体を離れた魂を天へと連れ去ってゆく。
「お休みください安らかに!」
残された者たちの強い哀悼をこめた歌声が響きわたる――。
荘厳さと寂寥が胸に迫る、まことに感動的な〝光景〟だ。
私的愛聴盤は、リヒターの旧盤(※1958年録音のアルヒーフ盤)を筆頭に、鈴木雅明盤、ガーディナー盤などで、世評もそのあたりに集まっているようであるが、これほどの音楽になると、だれがどうやろうと伝わるものは伝わってくる。
今回はガーディナー盤で聴いた。
ひじょうにととのった演奏で、劇的要素にとぼしいきらいがないではないが、なんといっても合唱(※モンテヴェルディ合唱団)がすばらしい。うますぎて、もうちょっと人間臭さがほしいくらい……と言ってしまってはぜいたくというものであろうな。
終曲では、余裕をかましすぎたか、ややもの足りぬ感もある。このあたりは、荘重なリヒター盤がいい。
以下、余談――。
昔、引っ越しした際、運送業者にたのむほどのものでもないと思えたので、休日を利用し、友人の手を借りて荷物を運んだ。
2週2回に分けて運搬することにした。
1回目を終えたとき、ステレオ装置はあるのだが、ディスクが一枚もないという状況下に置かれた。ディスクを梱包した箱を積み忘れてしまったのである。
なにも聴くことができない。
困ったな、と思っていたらCDプレーヤーのトレイに一枚だけ入っているのに気づいた。
リヒターによる『マタイ』旧盤のCD、3枚組のうちの3枚目だった。
私は残りの荷物を運ぶ次の休日までの一週間、それだけを聴いてすごした。
| 固定リンク


コメント
fefefeさん
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
長い事、ご無沙汰しました。但し、貴サイトの訪問は普段も、ほぼ毎日です。コメントは、こうして、熱い気持ちにさせてもらった時ですが……
私が、fefefeさんの好みに、近いものを持っているのを、何回か確認させて貰ってますが、バッハとシャコンヌは一番最初のfefefeさんとの出会いです。
あと、話は、マタイとかけ離れますが、石川ひとみの「まちぶせ」論を読ませてもらった時は、我が意を得たり、で一日中幸せな気分でした。
これからも、よろしく、お願いします。
投稿: miccha | 2012年1月 5日 (木) 09:01
micchaさん、おめでとうございます。
おひさしぶりです。お元気でしたか?
「まちぶせ」ですか(笑)……かつて本館の雑文倉庫に載せてたやつですね。発掘してここに再掲載します。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: fefefe | 2012年1月 5日 (木) 11:57