女流無伴奏提琴2種 - 高橋和歌 & シグリッド・クルマン
高橋和歌 ヴァイオリン作品集 Vol.1
"Solo. Waka"
高橋和歌(ヴァイオリン)
Waka Takahashi (vn)
( vivid EVER GREEN PUBLISHINGS EGPF-005 CD-JAPAN )
バッハ・パガニーニ・イザイ 無伴奏作品集
Bach, Paganini & Ysaye: Works for solo violin
シグリッド・クルマン(ヴァイオリン)
Sigrid Kuulmann (vn)
( ESTONIAN RECORD PRODUCTIONS ERP 3109 CD-ESTONIA? )
女性奏者による無伴奏アルバム2種――といえば、前にイザベル・ファウストとリザ・フェルシュトマンの2枚が同時期に出たことがあり、いずれも秀逸盤だった。
今回も負けてはいない。
無伴奏アルバム自体はめずらしいほどのものではなく、ほかにも出ているのだろうけれども、私が手を出すのは原則的に〝バッハ入り〟のもの。
うれしいことに、両盤にシャコンヌが入っている。
どちらも自主制作か(※違うかもしれぬ)。
高橋和歌はひじょうに開放的、(ソナタ第1番、シャコンヌとも)のびやかなバッハで、加えて全篇に香る優しさが魅力である。テクニックも申しぶんない。残響ゆたかな録音に乗せて、豊潤な音色が無限に拡がってゆく。気持ちがいい。
とくにシャコンヌは、さらに内省的な陰りをほのめかせながらも、決して急がないところがよい。終曲へ向けて、着実に高度を上げてゆくドラマも忘れていない。
Vol.1となっている。続編を期待していいのかもしれない。
シグリッド・クルマンは、エストニアのヴァイオリニスト。
エストニアといえば、作曲家のトゥビンやペルト、指揮者のヤルヴィなどが、忘れられぬ音楽家の名として浮かんでくるが、ヴァイオリニストとなると……めずらしいのではなかろうか。
ちなみに、クルマンはトゥビンの作品集をディスクとしてすでにリリースしているようだ。
バッハについていえば、重心が低く、安定感抜群で力強い。女の演奏とは思えぬ骨太の演奏。ところが、シャコンヌになると、一転、女性らしい優雅でゆったりとした演奏となり、これがまた悪くない。「さあ、シャコンヌ……」とばかりに力の入るパターンは多すぎるほどあるなかで、これはめずらしい。
録音ば残響控えめ。直接音成分勝負のいさぎよいもので、クルマンの魅力を倍加していると言える。
正直、かなり惹かれた。
内容は、「比較は野暮」と言いたいほど、どちらもすばらしい。ただ、ジャケは、高橋盤のほうが、私的には好み。
ふた盤連続で聴き、ひさしぶりにシャコンヌを堪能した。
両盤とも◎。オススメ。
高橋盤は、バッハの無伴奏ソナタ第1番&シャコンヌ、バルトークの無伴奏ソナタ。
クルマン盤は、バッハの無伴奏パルティータ第2番、パガニーニのネル・コウ・ピウ変奏曲、イザイのソナタ第3番&第6番――を収録。
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