Isn't She Lovely - 追悼 屋良文雄さん
沖縄のジャズ・ピアニスト、屋良文雄さんの訃報が、木曜日の夕刊に載っていた。
12年前、仕事で沖縄を訪れたとき、《ライブ・イン・寓話》に立ち寄った。屋良さんはそこを拠点にして、ソウルフルなジャズを発信していたのだった。
お店で呑み、屋良さんたち(※トリオ演奏)の演奏を聴いた。そのときのエンディングがスティーヴィー・ワンダーの"Isn't She Lovely"(邦題『可愛いアイシャ』)。好きな曲だった。演奏終了後、つい知ったふうに「スティーヴィー・ワンダーですね」と言ったら、屋良さんは「イズント・シー・ラヴリー」とひとこと、笑みとともに返してきた――。
そのあと、カウンターで音楽のことを中心にいろいろ話したはずだが、会話の中身はほとんど記憶にない。私の仕事の内容は、呑んで食って原稿にするというものであり、《寓話》はこの夜の何軒目かだった。当方はそうとうに酔っぱらっているうえ、屋良さんも同様にベロベロであった。
憶えているのは、「演奏中に、なにか考えたりするものなんですか?」という私の、今思えば実にしょうもない質問である。
屋良さんの答えはこうだった。「な~んも考えてない」
それを聴いて、そらそうやなと思い、つまらんことを訊いたな、と自嘲したことだ。
それでも、音楽好きが、プロのミュージシャンとゴチャゴチャとしゃべりあうわけであるから、愉しくないワケがなかった。
屋良さんはグラスを手放さなかった。ジャック・ダニエルズだった。
写真は、そのときお店で買ったCD《屋良文雄カルテットライブ》(ディスク ジァン・ジァン JJ-021)。
ライヴの模様、全10曲が収録されている。ラストはやはり、"Isn't She Lovely"である。
サインはこちらからお願いする前に、屋良さんがサラサラと書いてしまった。
わざわざ、〝ジャズ・ピアニスト〟とある。私はここに〝生涯一○○〟というような誇りを感じたものだ。
平素からお世話になっていて、ときおり拙ブログにもコメントをくださる★★★さんがジャズ・ファンなので、おみやげに、ともう一枚買って、そちらにもお願いした。「このひと(★★★さん)はムチャクチャのジャズ・ファンで、屋良さんより年上なんですよ」と説明したら、たしか、サインとともにハートマークまで添えてくれたはずである。
遠い日の、ほんの数時間のことなのに、今も心にはっきりと刻みこまれている。
音楽ってのはすばらしい、とあらためて思わざるをえない。
スティーヴィー・ワンダー 《キー・オブ・ライフ》
Stevie Wonder(vo) "Songs In The Key of Life"
(ユニバーサル・ミュージック-MOTOWN RECORDS UICY-9254/5 CD-JAPAN )
※"Isn't She Lovely"はディスク2の第1曲目。ハーモニカの調べが魅力的。
SONY α350
SONY α50mm F1.4(SAL50F14)
※新聞は《朝日新聞》
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コメント
屋良さん亡くなられたか。
最近テクニックを振りかざしこれでもかこれでもかとやる
ピアノにはうんざりしてきた
屋良さんのような、まったり語りかけるピアノが心を癒してくれる
今晩聞こう
心より冥福をお祈りいたします
そのうちに私も行きますので三途の河原でせせらぎとデュオでライブ
やってください。
投稿: siroika | 2010年4月10日 (土) 08:47
siroikaさん、どうも。
70歳は早いですね。
生き方がそのまま顔に出ているような人でしたよ。
投稿: fefefe | 2010年4月10日 (土) 12:54