掘り出しもの - 漆原朝子のスペイン交響曲ほか
ひさびさに掘り出しもの。
なにげなく立ち寄った梅田の中古屋で発見した。
今はなき日本国際音楽コンクール(imcj)における実況録音盤4LP。入賞者らの演奏を記録したもので、けっこう長いあいだアンテナを張っていたのだった。
CDでも出ており、そちらが頭にあったのだが、LPで見つかるとはビックリ。
このときの出場者の顔ぶれがすごい。漆原朝子、高田あずみ、久保田巧、千住真理子、渡辺玲子の名がある。みなさんが第一線で活躍中だ。
このうち、入賞したのは漆原(※優勝)と高田だった。久保田巧や渡辺玲子の落選が、妙なことながら、えらくハイ・レヴェルな印象を与えている。久保田のレコードしたバッハ無伴奏は歴代でもトップクラスの演奏であるし、渡辺はヴァイオリニストとして、超一流と躊躇なくいえる存在となっている。
私がこのセットをさがしていたのは、優勝者・漆原朝子の弾くラロのスペイン交響曲、トルチンスキーという現在無名(?)のヴァイオリニストによるバッハの無伴奏ソナタ第2番に興味をもっていたからだった。
漆原のラロについては、その後、彼女は同曲を、演奏はしているようだが、録音はしていない。彼女がCDにしたバッハのパルティータ全曲は私的愛聴盤である。
審査員の豪華さにも驚かされる。オドノポソフ、ベズロドニー、ヴィルコミルスカ、江藤俊哉、豊田耕児……らが名を連ねている。私は各人のディスクをもっているが、どれもすばらしく、まことに、主催者の眼力と意欲に敬服するほかはない。
しかし、この国では、どうにも文化というゼニにならんものには関心がないらしく、このimcjはいつの間にやら廃止となってしまった。
また、こうした才能ある若い演奏家たちの記録を、レコードとして残したフォンテックの勇断も評価されなければならない。おそらく、これが売れて儲かるなどとは露ほども思っていなかったろう。
SONY α350
SIGMA 18-50mm F2.8 EX DC
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コメント
世知辛い世相の中、文化への風あたりも、いや増すばかりでしょうねぇ(涙
あっ、ムローヴァとカティアのCDすごく良かったです。
今後も色々、参考にさせてもらいます。
投稿: 庵主 | 2008年12月14日 (日) 18:25
庵主さん、どうも。
ムローヴァ&Kラベック……それはよかったです。
ディスクも、人と同じで「出会い」ですからねえ。
最初熱中して、気がつくとウソのように醒めていた……なんてこともありますがネ(笑)。
でも、このイタリア組曲はいいですよね。
話題――かどうかわかりませんが――の新人・神尾真由子の同じ曲を聴いたのですけれど、ウーン、かなり期待ハズレでしたワ。
投稿: fefefe | 2008年12月15日 (月) 08:18
こんにちは。
トルチンスキーは「シャコンヌ狂時代」で取り上げられている
コルチンスキーの可能性が強そうですね。
ロシアの演奏家が、英語圏では実際の発音に合わせて
英語表記に微妙な違いがあるのはよくある事ですので・・・・
「シャコンヌ狂時代」ともども、いろいろと参考にさせていただいております。
投稿: DAN | 2009年1月 4日 (日) 12:31
>DANさん
どうも、かようなサイトを訪問してくださり、感謝しております。
ご意見に接し、即座に「それだ」と思いました。
シャコンヌ狂時代で紹介した〝コルチンスキー盤〟は、そのガストナンバー(73)から、だいたい、このimcjの5年から10年ほど前にリリースされたようです。
〝トルチンスキー〟は1955年生まれ、とimcj盤のプロフィールにはありますので(※つまりこのとき彼は28歳)、両者が同一人物とすると、シャコンヌのメロディア盤が、20歳前後での録音となり、デビュー盤であった――とでも考えておけば、年齢的にもつじつまが合いますね。
また、両盤に彼の写真が掲載されています。撮影アングルが異なっていますが、ハナとアゴに特徴があり、まずまちがいない……と私には思えました。
それにしても、シャコンヌを聴いていて、写真鑑定にまでコトが及ぶとは思いもよりませんでした。いや、なかなかレコード道というのも奥が深い(笑)。
今回の〝鑑定結果〟は、いずれシャコンヌ狂時代に付記したいと思います。
愉しい話題をありがとうございました。ぜひ、またお立ち寄りください。
なお、シャコンヌ狂時代は現在、管理人のやる気のなさから停滞気味ですが、まだ手元には50~60種ばかり残っておるようです。チビチビ出してゆきますので、今後ともどうぞヨロシク。
投稿: fefefe | 2009年1月 4日 (日) 23:36
日本国際音楽コンクールのレコードが欲しくて欲しくて探しているところです。
検索をかけたところ、こちらの記事にたどり着きました。
とてもうらやましいですー。
投稿: berry | 2009年2月12日 (木) 01:39
>berryさん
かような辺鄙なところへようこそ。
いやー、うらやましがらせて申し訳ないです。
日々念じておれば、かならず届きますよ。
レコードというものは、念力と多少のカネがあれば手に入る。同じものを多数の人が求めている場合は、もっとも念力の強い者の手に落ちる……というのがワタクシの持論であります。
この日本国際音楽コンクール盤については、ワタクシの念力がもっとも強く、berryさんをわずかに上まわっていたと思われます。
そのワタクシが〝争奪戦〟からはずれた今、最強念力保持者は当然、berryさんということになりますね。
とにかく念力あるのみ! です。
願いがかなったときには、ぜひまたコメントをくださいね。
GOOD LUCK!
投稿: fefefe | 2009年2月12日 (木) 08:53
はじめまして。
漆原朝子さんで検索してたどりつきました。
彼女が芸大1年だったころ、私の地元のオケ、群馬交響楽団の定期でラロのスペイン交響曲を演奏しました。(1986.6.22)
その後も、群響と共演されたので、よく聴きにいきました。
一昨年、高崎で初めてリサイタルを開かれたので、CDにサインをいただいたり、握手していただいたりで感激でした。
彼女の演奏では、バッハの無伴奏パルティータ、ホルストシュタイン、N響と共演したブラームスのコンチェルトなどが好きです。
私は、当時、4枚組みのLPは売り切れで購入することができませんでしたが、シャコンヌ、バルトークのソナタ、カルメン幻想曲などが収められているLPを購入しました。
投稿: 信越線住民 | 2009年2月20日 (金) 22:47
信越住民さま
かような辺鄙な場所へようこそ、はじめまして。
私も朝子ファンの一人です。バッハのパルティータはいいですよね。
本館の【シャコンヌ狂時代】にもちょこっと書きましたけれど、ホント、彼女にはもうすこしレコーディングにも力を入れてもらいたいものです。
群馬には昔、仕事の取材で行きました。新幹線車内でだるま弁当食ったのを憶えてます。容器が貯金箱になってましたねえ(笑)。
投稿: fefefe | 2009年2月21日 (土) 08:44